研究内容

　植物の有効利用に関する研究を行っています．近年のナノテクノロジーの発展に伴い，ナノファイバーの利用にも注目が集まっており，現在幅広い分野への応用に向けて大きな進展が見られています．その製造においても，カーボンナノファイバーやエレクトロスピニング法によるナノファイバー等，盛んに研究が進められています．その一方で，自然界にはすでに様々な形で天然のナノファイバーが存在しています．植物も同様です．あらゆる植物の細胞壁はセルロースと呼ばれる高分子がナノファイバーの形で存在し，細胞壁の骨格となり植物を支えています．このセルロースナノファイバーは非常に優れた機械的性質を持っているため，近年複合材料の補強材やフィルター等の幅広い分野での応用が期待されています．

　本研究では，豊富で再生可能な資源である植物から単離した新しい材料“セルロースナノファイバー”の基礎的性質を理解するとともに，このナノファイバーを用いたハイドロゲルの開発等，新しい分野への応用につながる材料開発を行っています．